どつぷり首まで浸かつてしまい 僕は 何処にもいけません
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泣かないで 泣かないで 君が泣くと 僕が悲しい 泣かないで 泣かないで 君のそばに居るから 僕が たいして何もできないけれど いつだって 君のそばに居る 何があろうと僕は ずっと 君のそばに 居ることができる 君が誰からも親切にされなくて 誰からも酷い仕打ちを受けるようなときにだって 僕は 君に少しだけ優しい たとえ君が 世界中の人から忌み嫌われて あらゆる関係が断絶したとしても 僕がいるから 君のそばに 君が生きとし生きる全てのものの厄災の根源だったとしても 最悪の根源だったとしても 僕には関係ない 君と一緒 君が死ぬまで 離れない。 君がもし 今しもヴァニラ・アイスのスタンド『クリーム』に呑み込まれて死亡する寸前のモハメドアブドゥルだったとしても 僕は なんの躊躇いも無く 君と一緒に呑み込まれるよ 亜空間に。 今じゃあたいして役に立たない 木偶の坊の僕だけど ほとんど何も出来ない無能の出来損ないみたいな僕だけれど 君のそばにいることだけは 出来る 君の後ろに ピッタリと 立っていることだけは 出来る。 だから 泣かないで 泣かないで 僕の墓の前で 泣かないで。 そんなお墓の土の中 僕はいない 土の中にあるのは 精々が僕の痕跡 かつて僕であったものの 焼けて焦げて灰燼のカルシューム 僕のお墓に 僕の魂は いない だから 僕の為に これ以上 泣くのはやめて 僕がいるから 君の後ろに。 ああ でも君が 僕に気付けないのなら 君の後ろに立って憑いている僕に気付けないというのなら 僕は 君に姿をあらわすことが 出来る 君が 二度と僕に逢えないと思ってて 寂しいと感じているのなら 僕は 君に姿を見せる事が 出来る 出来るんだ いいかい 君に 僕の姿を見せる事が出来るんだよ。 ほら 泣きじゃくる君が それでも涙を拭いて立ちあがり 僕のお墓に最後の一瞥 クルリと振り返った君に 僕の姿を。 君 最初 きょとんとして 何がなんだか わからなかったみたいだね でも ゆっくり 僕の全身をみて ひゅっと息 呑みこんだね ほら 泣き止んだ ああ 泣き止んだけれど 君 絶叫したね 途切れる事のない悲鳴をあげ続けたね そりゃあ 急行列車に轢かれてブツギリ微塵粉砕されて 人の形をしていない僕の身体を見たら 女の子なら悲鳴をあげるだろうさね でも そんなに 叫ばないで 叫ばないで。 君が 今の僕の姿を見て嫌悪に絶叫するのなら 僕は 君が死ぬまで
by khem_mark
| 2005-06-17 15:16
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Comments(2)
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