どつぷり首まで浸かつてしまい 僕は 何処にもいけません
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今日も仕事が遅くに終わり 自室に帰ってこれたのは 真っ暗 真っ黒 真夜中で。 玄関開けて 部屋の中は真っ暗く ただいま なんて独り語ちても返答なんてある訳ないし 今宵も侘しく寝るためだけに帰ってきましたよ。 ああ さっさとシャワーを浴びて そのあとは冷えた缶ビールをグイグイ一気飲んで すべるように眠りにつこうと思うよ。 とりあえず 部屋の明かりを点けようか。 真っ暗い中 躓かないようゆっくり進み 部屋の真ん中 明かりスイッチの引っ張り紐が垂れ下がってる大体の位置 手伸ばし 手探り 指先当たり あった 引っ張り紐 掴んでグイっと引っ張った 『いたっ』 いたっ? なにが? つうか 誰が? 女の人の声 ってことは僕じゃない じゃあ 誰だ この真っ暗い部屋の中 僕以外に誰か居る? うわあ! 僕 ビックリして 掴んだ電灯スイッチの引っ張り紐 グイグイ何度も引っ張ったけれども 明かりが点かず 真っ暗いまま。 更には 知らない女の人の声 『いたっ! いたっ!』 が繰り返し聞こえてきます うひぃ いたって 何がいたんだよう 立て続けに紐をグイグイ引っ張ってると ブツリ 音がして紐が抜けました わあ 壊れた! 『ぎゃッ!!!!』 うひゃあああ! 知らない女の人の声がひときわ大きく聞こえ 僕 思わず悲鳴を上げて 手を振り回すと 手に当たったのは 電灯の引っ張り紐の感触 あれ? さっき引っこ抜けたはずなのに なんで? と思いつつ 手に触れた引っ張り紐 掴んで引っ張るとカチリ 何の支障もなく明かりが点いて。 ありゃ どうしてだ? いや そんなことより声の主 僕の部屋の中にいた誰かは何処に行った さっきの声は ごく近くから聞こえてきたぞ 何処だ どこにいる 僕 部屋中隅々を見渡したけれど 僕以外に誰もいず 押入れとか風呂場トイレなんかを覗いたけれど 誰もいず この部屋の中 最初ッから僕以外誰もいなかったんじゃないかって思えるくらいでありましたが。 断じてそんなことはありません さっき 確かに 女の人の声を聞いたのです。 僕のすぐ近く 僕の知らない女の人が 確かに存在したのです。 それの証拠に 僕の手の中 さっき引っこ抜いた電灯の引っ張り紐 と思い込んでたモノ 握りこんでいたのは 艶やかに黒くて妖しく長い 女の人のものと思われる 髪の毛が一筋。
by khem_mark
| 2005-07-02 04:45
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Comments(1)
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