どつぷり首まで浸かつてしまい 僕は 何処にもいけません
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「ひしゃく よこせ ひしゃく よこせ」 「うわあ 船長 舟幽霊が出ました」 「安心しろ 底に穴のあいた柄杓を渡せばいいよ」 「それが 柄杓を積み忘れまして」 「ないのか」 「ひしゃく よこせ ひしゃく よこせ」 「うわあ」 「な なにか替わりになるようなもの ないか はやくしないと 船をひっくり返されるぞ」 「えっと この 食べかけのチーズフォンデュ鍋しかないです」 「なんでもいいから 早く海に 海に投げ込むんだ」 「は はい あ ああ! しまった!」 「どうした!」 「鍋の底を抜くのを忘れました」 次の瞬間 海上 無数に殖えた舟幽霊 各々 満ち充ちたチーズフォンデュ鍋を手に 熱々の煮えたぎったチーズを船の中 掬っては注ぎ込み掬っては注ぎ込み
by khem_mark
| 2005-01-08 18:49
| 怪
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Comments(1)
Commented
by
ねう
at 2005-01-10 22:16
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はじめまして!なんだか、読んでるこっちが船酔いしそうなネタですね(笑)もう、洗っても洗っても、チーズの匂い取れませんよ、きっと。本当に、こちらのお話はぞわりとさせられますよね!そんなとこが、また大好きですv
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